九旬

 

餌響師が育てる、筑前町の国産うなぎ

生産者: 寺山 裕之さん(てらやま ひろゆき)
餌響師: 栗山 琴音さん(くりやま ことね)

筑前町の水に育まれて

福岡県朝倉郡筑前町は、豊かな水に恵まれた、静かな土地です。

 

そんな筑前町で、うなぎの養殖に取り組んでいるのが「花立山養鰻」。清らかな地下水と穏やかな環境のもと、一匹一匹のうなぎと向き合いながら、国産うなぎを育てています。

 

杉樽で育てる、100%国産うなぎ

花立山養鰻では、杉樽を使った独自の方法でうなぎを育てています。

 

筑前町の澄んだ地下水を、うなぎが過ごしやすい28〜30℃に調整して使用。杉が持つ天然の抗菌・浄化作用によって、水質を保ちます。

 

冬場は樽の上にシートをかけて保温しながら、毎朝一つひとつの樽の水質を確認します。うなぎの泳ぎ方や餌の食べ方も丁寧に観察し、体調の変化を見逃さないようにしています。

 

薬品や添加物に頼らず、うなぎの状態を見ながら育てる。そんな養鰻の現場を支えているのが、餌響師・栗山琴音さんです。

 

 

「声なき声」に耳を澄まして

「餌響師(えきょうし)」とは、花立山養鰻が独自に定めた称号です。うなぎの状態を細かく見極めながら、成長段階に合わせて餌の硬さや栄養バランスを調整します。

 

餌やりは毎朝1回。そのために約3キロ分の餌を準備する作業は、体力を要する仕事です。琴音さんは「養鰻業の仕事のなかでも特に大変な作業の一つです」と話します。

 

大切にしているのは、「声なき声に耳を澄ます」という姿勢。言葉を発しないうなぎの小さな変化を見逃さず、状態に合わせて最適な餌と環境を整えること。それが、餌響師としての仕事です。

 

一匹一匹に向き合う、その先に

花立山養鰻では、蒲焼・白焼をはじめ、刺身、しゃぶしゃぶ、干物、燻製、炊き込みご飯の素など、さまざまな商品を手がけています。

 

なかでも燻製は、24時間かけて仕上げるオリジナル商品。ハムのようなスモーキーな香りと食感が特徴です。また、株式会社山口油屋福太郎とのコラボ商品「うなぎ明太」は、鰻の上に明太子ペーストをのせた珍しい一品。うなぎと明太子という福岡らしい組み合わせも、この商品の特徴です。

 

出荷前には一匹ずつ丁寧に選別し、大きさを揃えるなど、最後まで品質を確認しています。

 

さらに、花立山養鰻では、イスラム教の戒律に基づく厳格な基準を満たした食品に与えられる「ハラール(Halal)認証」を取得しました。提携する加工場も同様に認証を取得しており、養殖から加工まで、品質を守る取り組みが続けられています。

 

杉樽の中でうなぎを育て、餌響師として一匹一匹の変化に目を配り、出荷まで丁寧に向き合う。そうした日々の積み重ねを経て、うなぎは様々な形で食卓へ届けられます。





基本データ

福岡県朝倉郡筑前町で養鰻業を営む花立山養鰻。
杉樽と餌響師のこだわりが育てる、100%国産うなぎを販売しています。
花立山養鰻公式HP:https://www.hanatateyama-youman.co.jp/
花立山養鰻Instagram:https://www.instagram.com/hanatateyama_youman/