九旬

 

和牛の頂点、石垣牛。最南端の離島の血統。

生産者: いしなぎ屋 石垣憲秀さん(のりひで)/林孝行さん(はやしたかゆき)

和牛の頂点、石垣牛。最南端の離島の血統。


日本最南端の黒毛和牛、石垣牛。八重山郡内で一定期間以上肥育管理された牛であること、去勢か雌の黒毛和牛であること、など厳しい条件を満たした肉牛です。2000年、沖縄サミットのメインに採用されたことから、ブランド特産として注目を集めています。

 


石垣島の年間平均気温は24℃ほど。これは、沖縄本島よりもさらに数度高いということです。あたたかい気候でのびのびと育った石垣牛は、独特のうまみを持ちます。とくに脂肪はさっぱりしているのが最大の特徴です。美しいサシが入りつつもくどくなく、たくさん食べられてしまうと好評です。

 

黒毛のブランド、石垣牛。希少、極上、幻の和牛。


気温30度を超える、沖縄とはいえ冬ではめずらしいというほどの暑い日に、全国唯一の石垣牛専門店・いしなぎ屋を訪ねるべく、石垣島へ降り立ちました。新石垣空港目の前、たまに鳴るゴーという音。見上げると、飛行機がとても大きく見えます。そんなところにあるのが、いしなぎ屋の直営牧場、(有)牛種子牧場です。

 


牧場へ足を踏み入れると、相当大きい、立派な雄牛が出迎えてくれました。これが、種牛。

 


「広さ? うーん、わかんないな」と笑う、牧場主の石垣さん。ご本人が広さを把握できないほど、広い。「あそこまで、牧場の土地だよ」と指さす先は、はるか向こう。この広い牧場に、牛が200頭以上。面積があるのでよく運動しており、牛はみなとても健康だそうです。「運動しない牛は、背中の線が崩れる」。

 


石垣島ではもともと主に繁殖(子牛まで育てて出荷する)が行われており、それが各地で有名なブランド牛に育っていきました。日本各地のブランド牛の、原点ともいえます。石垣さんは、祖父の代から肥育(子牛から出荷できるまでを育てること)をはじめて、三代目。「肥育はお金もかかるし、リスクも大きい。だからたいへんなんです」。この牧場では、およそ27か月齢まで育てています。

 


「牛は人を見る」、と石垣さん。今日のように知らない人が来るだけで、いつもと少し動きが変わったりするとか。いい牛は見てわかるものですかと聞くと、「血統はわかる、あとは好みかな。こいつはいい顔してるなっていうのは、ある」。血統は3世代までさかのぼって、よく吟味してかけ合わせるのだそう。

 

生産者直売の、強さ。


「おいしいかどうかは、さばいてみないとわからないよ」と言いつつも、目指すのは「俵型の牛」。量と質の問題は牛にも言えるようで、質ばかりを追い求めていくと、体が小さくなってしまう。かといって出荷できる牛はサイズが決まっており、大きいだけの牛にならないようにもする。種は、沖縄の土地に合ったものを入れるのもポイントです。

 


エサはていねいに見極め、与えていきます。子牛用、肥育用、母牛用と、細かく分かれています。17~22か月齢のころが勝負だそう。鉄板の上で映えるような、“丸いロース”を目指して調整をかけていきます。

 


白いロール状のものは、牧草。石垣島では、一年中牧草がとれるのも特徴です。

 


こうして育てた牛は、いしなぎ屋が経営する精肉店、レストランに卸されます。自家産だからこそ、安定した価格で安定した量を提供できる、それがいしなぎ屋の強みです。

 

生産者オススメ、おいしい食べ方。


いしなぎ屋の精肉店を訪ねました。お店の来るお客様の6割が観光客だと言います。その後リピーターになる方も多く、定期的に買いに来たり、ネットでオーダーしてくれたりするのだとか。毎月29日の「肉の日」は、地元のお客様向けにセールを行っており、その日は大行列ができます。また、石垣島の方々からは、地元いちばんの名産を贈り物にしたいと、お歳暮やお中元としても重宝されています。

 


向かいには、石垣牛の焼肉がいただけるレストランもあります。

 


いしなぎ屋の林さんに、おいしいいただき方を聞きました。入社して13年、石垣牛のプロフェッショナルです。

 


「ステーキ肉は、アツアツになるまで熱した鉄のフライパンで、両面カリっと焼いてください。油はいりません、肉から出る脂で焼いてください」。中身は赤いくらいがよい。わさびしょうゆでいただくのがオススメだそう。

 


焼肉は、さっと焼いて、塩コショウ。「石垣牛のおいしさがダイレクトに味わえます。脂がしつこくなく、いくらでも食べられますよ」。

 


さらに人気なのが、このハンバーグ。有名人も雑誌などで紹介する味。創業からのレシピです。「味がついているので、そのままどうぞ。これも、焼くときに油は必要ありません」。




基本データ

八重山郡内で生まれ、生後おおむね20ヶ月以上肥育管理された牛であること。純粋の黒毛和種の、去勢及び雌牛であることなど、厳しい条件を満たした肉牛である。2000年、沖縄サミットのメインディッシュに採用され、ブランド特産として注目を集める。