
竹の節目と、人生の節目を重ねて。
生産者:竹千寿 安部 和美さん・安部 史哉さん(あべ かずみ・ふみや)
人生の節目に寄り添う「竹千寿」のちまき

福岡県宮若市に工房を構える「竹千寿」。
蓋と器に本物の竹を使用した「竹ちまき」や、九州産もち米を100%使用した「笹ちまき」などを製造しています。
竹千寿のちまきは、人生の節目に寄り添う贈りものとして多くの方に選ばれてきました。
その背景には、土地と向き合い、素材と向き合い、手仕事を積み重ねてきた時間があります。
地域の課題から生まれた、一つの贈り物

竹千寿の原点にあるのは、「竹ちまき」です。
この商品は、地域で課題となっていた放置竹林の拡大などの竹害対策をきっかけに開発されました。
「竹を活かし、地域に返す方法はないか」。
そんな想いから生まれたのが、竹や笹を使ったちまきでした。
九州の恵みを、全国へ

竹千寿の商品に使われる素材の多くは、九州産です。
九州には、魅力的な山の幸、海の幸が豊富に揃っています。
創業当初から、できる限り九州の素材を選び、それを全国に届けたいという想いを大切にしてきました。
素材選びもまた、竹千寿のものづくりの一部です。
だしから手作り。素材の魅力をそのままに

竹千寿のちまき作りに欠かせないのが、もち米とだしです。
使用しているのは、九州産のもち米。
九州産のもち米で作るおこわは、もちっとした食感と、やさしい甘みが特長。
この食感こそが、他にはないちまきを生み出す大きな要素となっています。

そして、味の決め手となるのが、だし。
竹千寿では、だしやたれをすべて自社で手作りしています。
椎茸だし、かつおだし、昆布だし、かつおと昆布の混合だし、あごだし、鶏ガラだし、鯛だし。
10種類以上あるちまきそれぞれに合わせて、だしを使い分けています。
人気商品「豚角煮ちまき」ができるまで

取材当日、竹千寿の中でも特に人気の高い「豚角煮ちまき」の製造工程を見せていただきました。
効率よりもおいしさを優先する工夫が、一つ一つの工程に詰まっていました。

まずは、もち米を炒めます。
生のもち米を水に浸し、水気を切ってから丁寧に炒めていきます。
炊く前に炒めることで、もち米の水分がほどよく抜け、だしが入りやすくなります。
一度に仕込む量は、ちまき約180個分。
10種類以上のちまきを製造するなかで、それぞれのだしの風味をしっかりと感じてもらうため、大切にしている工程です。

炒めたもち米にだしを加え、炊き上げます。
豚角煮ちまきに使われるのは、かつおだし。
米とだしがなじみ、ちまきの土台となる味がここで形づくられます。

炊き上がったお米の上に笹をのせ、蒸しの工程へ進みます。
笹をのせて蒸すことで、香りと味わいに奥行きが生まれます。
豚角煮ちまきの蒸し時間は20分。
商品ごとに蒸し時間を調整しながら、最適な仕上がりを見極めています。

蒸しあがったお米を、ちまき一つ分ずつ計量して、豚角煮をのせていきます。
機械での計量・成形も可能ですが、米がつぶれてしまうことがあるため、この工程は人の手で行ないます。
空気を含ませながら、やさしく丸めること。
それが、もちっとしながらも重くなりすぎない食感につながっています。

最後は、笹で包み、糸で結ぶ工程です。
使用している笹は、山梨県や群馬県産の国産笹です。
以前は周辺の熊笹を使っていましたが、生産量の増加に伴い、現在は熊笹専門店から取り寄せるようになりました。
笹の大きさは一枚一枚異なるため、職人が目で見て判断し、大きなものは手で端をちぎって調整しています。
こうして完成する豚角煮ちまきは、ほとんどすべての工程が手作業。
その手間が、そのまま味わいへとつながっています。
竹の節目と、人生の節目を重ねて

竹千寿という名前には、「千の寿」、すなわち人生の中でたくさんの喜びを重ねてほしいという願いが込められています。
大切な方への贈り物や、お祝いの席。
竹の節目を重ねるように、人生の節目にも寄り添える存在でありたい。
その想いが、今も商品づくりの根底にあります。
贈りものから、日常へ。そして未来へ

これからの竹千寿は、贈り物としてだけでなく、ご自宅でも気軽に楽しんでいただける商品づくりにも取り組んでいきたいと考えています。
また、福岡・九州ならではの味わいを、自社製造の冷凍商品としてお届けすること。
ちまきづくりのノウハウを活かして、食育の普及や日本の食文化を次の世代へ繋いでいくこと。
竹や笹に包まれた一つのちまきから、広がっていく未来。
「竹千寿」の挑戦は、これからも続いていきます。
基本データ
福岡県宮若市で竹ちまきや笹ちまきを製造している「竹千寿」。
九州産の厳選素材を使用したちまきは、お祝い事の贈り物として広い世代で好まれている。
公式HP:https://takesenjyu.jp/index.html
