九旬

 

食べたことありますか。樹上熟成、
まさかの国産グレープフルーツ。

生産者: 緑の里 りょうくん 田中良一さん(たなかりょういち)


農家の思い

月夜実、つくよみと読みます。国産グレープフルーツの名前です。南国宮崎で4代めとなる田中さん。昔は天皇家にみかんを献上していたこともある、由緒正しい柑橘農家です。畑は日南にあります。農園は、緑の里 りょうくん。

 

 

農薬を減らし、枝に実をつけたまま熟成させる樹上完熟を徹底。味を凝縮させるのです。だから甘い。だから出荷が待たされる。旬は遅れてやってくる。生産量は多くない。一般には出回りづらい月夜実です、ムリを言ってわけてもらいました。

 

 

デパートが並べるような見ため綺麗な果実は出せません。かわりに安全で、安心して食べられるものを作ろう。田中さんの農園でも、果皮に傷のある果実は規格外とします。しかしキズものとは考えません。傷は、花の時期、ミツバチが歩いた足あと。蜜が濃く、強い香りを放つ花に多いのです。ミツバチの足あとはおいしさのしるし。中身は加工してピューレに、外皮は化粧品香料に生かします。

 

 

育成方法

国産グレープフルーツの旬は、3月から6月。ぎりぎりまで樹上完熟させるため、出荷には一般農家より2‐4週間、時間をかけます。春から夏は日にあてて酸度をあげ、水をやり酸を糖へ変えていきます。農園にはマルチシートを敷き、必要最少の水で育てます。

 

 

出荷前には、果実一つ一つを目選別して、手選別。雨などの水滴は、そこから果実を傷めます。「大事に、丁寧に」手作業で拭きあげてから、いよいよ出荷します。

 

 

見分け方

色が鮮やかで、香りが強いものほどおいしい。ミツバチの足あとがあるほどいい。石混じりの痩せた土で育つと果物が頑張るんでしょう。びっくりするほど甘い実ができます。柑橘類は一般に袋が多いほど美味。平均はひと玉10袋、多いものは13‐14袋。

 

 

グレープフルーツは鈴なりに実をつけるので、へこみや平らな面があるものは隣と触れあい育った実です。丸く、ハリのあるものを選ぶ。日がよく当たり、栄養も行き渡っている。

 

 

食べ方

そのまま食べる。輪切りにして、スプーンでほうばってください。夏は凍らせて、シャーベットがおいしい。ぎゅっと搾って、ジュースもいけます。ジンを割るなら、グラスへ氷と生絞り果汁。果肉はサラダにする。果汁と果肉でドレッシングをつくる。

 

 

ゼリー、ムース、ケーキのトッピングにもどうぞ。皮ごと刻んでジャムに煮込めば、グレープフルーツ・マーマレードのできあがり。
* 薬を服用されている方は、薬との相性にご注意ください。

 




基本データ

収穫は25から30トン。畑は3ヘクタール。敷地内に丘陵を作り、畑面積を広くしました。グレープフルーツは10年前、20本から栽培を始め、現在1万本へ。「海外では、健康志向の人が皮を食べる文化がある」。商社マンのアドバイスから以来、施薬を半分にした。スーパーの輸入果実は長い船旅を経てもカビが生えません。食品添加物の名で防カビ剤が使われるのです。田中さんは、OPP(オルトフェニルフェノール)も、TBZ(チアベンダゾール)も使いません。


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    宮崎・日南「緑の里りょうくん」樹上完熟グレープフルーツ

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